劇団四季『ノートルダムの鐘』リプライズの魅力を語る

劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』 ミュージカル

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劇団四季のミュージカル『ノートルダムの鐘』を繰り返し観劇し、CDを聴き込むうちに、「リプライズ」の魅力にどっぷりハマりました。

「リプライズ」とはなにかというと、ミュージカルでよく用いられる手法の一つ。辞書によると、次のような意味があります。

  • 反復、繰り返し
  • 再現

ミュージカルでは、同じメロディーが違うシーンで再び繰り返されることを「リプライズ」とよばれています。

このリプライズというのは奥が深くて、色々なパターンがあるようです。例えば…

  • 全く同じメロディーで繰り返し歌うもの・メロディーの中からワンフレーズだけ抜き出して繰り返すもの・アレンジを加えて繰り返すものなどがある
  • メロディーは同じでも、歌詞は違うことがある
  • 同じ人物が歌う場合もあれば、違う人物が歌う事もある
  • 歌はなく、オーケストラによるメロディーだけが差し込まれることもある

このように様々な種類があるリプライズですが、その面白さは同じメロディーなのにその意味合いが1度目とは全く異なるところだと思います。

違う状況のなか、あえて同じメロディーを歌うことで、キャラクターの心情や立場の変化が強調されるんですね。

なので、リプライズを発見したときは、最初にそのメロディーが歌われた場面との違いに注目して比較すると、より深く物語を理解して楽しむことができます。

というわけで今回は、劇団四季のミュージカル『ノートルダムの鐘』を鑑賞して印象に残ったリプライズを4つまとめました。

1:「悪人は罰を受ける」

「悪人は罰を受ける」というフレーズは、劇中で繰り返し登場する重要なキーワード。私の覚えている限りだと3つのシーンで使われるのですが、誰が「悪人」なのかはそれぞれ異なっています。そこに注目して見てみましょう。

1幕の冒頭:フロローが赤ん坊のカジモドを初めて見た際に発するセリフ

フロローが弟のジュアンの息子であるカジモドの醜い顔を見て驚き、思わず「悪人は罰を受ける」と弟を責めるシーン。ここは歌ではなくセリフです。

神の教えに背いて逃避したジュアンと妻のフロリカが「悪人」、その罰が2人の息子であるカジモドの醜い容姿ということですね。

1幕ラスト:「エスメラルダ」の曲中

フィーバスがエスメラルダを捕らえるためにジプシー狩りを行う楽曲、「エスメラルダ」のシーン。

フロローは次のように歌います。

悪人は罰を受ける

邪悪な心は災い

悪人は罰を受ける

ここでいう「悪人」はエスメラルダ。フロローの説く神の教えにエスメラルダが背いたという理由で「罰」を与えようとしています。

2幕フィナーレ:カジモドがフロローに対していうセリフ

エスメラルダが息を引き取った後、フロローがカジモドへ「元通り2人で暮らそう」とよびかけると、カジモドはそれに激しく反発。そして、「悪人は罰を受ける」と怒りを込めて言い放ちます。

今までずっとフロローに従順だったカジモドが、初めてフロローに直接反発する重いセリフです。

また、そのあとアンサンブルキャストによって次のフレーズが「エスメラルダ」の曲中と同じメロディーで歌われます。

悪人は罰を受ける

邪悪な心は災い

悪人は罰を受ける

歌詞カードを読んで知ったのですが、実はこのフレーズを歌っているのは、ジュアンとフロリカの亡霊。

つまり、ここではカジモド、ジュアン、フロリカの家族総出でフロローを「悪人」だと責め立てているんですね。そして、カジモドはフロローを大聖堂から突き落とすことで、罰を与えます。

物語の冒頭でこの3人に対して言った「悪人は罰を受ける」という言葉が、ラストでそのままフロローに跳ね返ってくる演出が見事です。

2:「神よ 弱き者を救いたまえ」

1度目と2度目で歌う人が異なるパターンのリプライズです。

1幕:エスメラルダが歌う「神よ 弱き者を救いたまえ」

道化の祭りで傷ついたカジモドを追って、大聖堂へ来たエスメラルダが歌う「神よ 弱きものを救いたまえ」。

1幕:「エスメラルダ」の曲中、フィーバス隊長がフロローの命令に背く場面

ジプシー狩りを行うフロローから、罪のない人を罰するよう命令されたフィーバス。

大聖堂警備隊隊長という立場上、フロローの命令に逆らうわけにはいかず葛藤します。

しかし その時、エスメラルダが歌う「神よ 弱き者を救いたまえ」がフィーバスの頭をよぎり、命令に背く決断を下したのでした。

それが、このリプライズです。

 あなただけが 頼りです
神よ救いを 弱き者に

フィーバスが「神よ救いを 弱き者に」のフレーズを歌いながら、松明の炎を消すシーンはしびれますね。

ここはエスメラルダの願いが通じ、2人の心が本当の意味で通い合ったシーンだと感じました。

3:「天国の光」

これは、同じ曲を同じ人物が歌いながらも、その心情が全く別のものになっているリプライズ。

1幕:カジモドが歌う「天国の光」

大聖堂までやってきたエスメラルダと、素敵なひと時を過ごしたカジモド。彼女のことで頭がいっぱいなカジモドは、今までになく幸せな気持ちを歌います。

愛に満ちた あの光に
あこがれてたけど
ぼくは醜いから あきらめてたんだ

でも 天使がほほえみかけて

この顔に触れたんだ

好きになってくれたのかな

2幕:「奇跡もとめて」

カジモドとフィーバスが奇跡御殿に到着し、フロローの来襲を告げ、クロパン達ジプシーがこの場から立ち去ることを決断するシーン。

隊長としての立場を失ったフィーバスは、エスメラルダについていくことを決め、彼女もそれを受け入れます。

その2人の様子を見たカジモドがリプライズで「天国の光」を歌います。

愛に満ちたあの光に

あこがれてたけど

ぼくは醜いから あきらめてたんだ

僕の愛は報われない

孤独に生きよう 不気味な顔だから

僕にはない 愛の奇跡

1幕の「天国の光」では天国の光に包まれた「恋人たち」に憧れるカジモドの心情が歌われます。ここでの「恋人たち」は名前も知らない、どこかのだれか。

「恋人たち」は今まで漠然とした存在だったけれど、2幕のリプライズではエスメラルダとフィーバスの2人が「恋人たち」としてカジモドの目に写ります。

ここがものすっごく切ないんですよね。

エスメラルダと天国の光に包まれることをひそかに夢見ていたカジモドの心が、ここで一気に崩れてしまいます…。

最初に歌った「天国の光」では、

僕は醜いから諦めてたんだ

のあとに、

でも
天使が微笑みかけて この顔に触れたんだ
好きになってくれたのかな

と希望のある歌詞が続くのですが、リプライズではこの部分はなく、

僕の愛は報われない

孤独に生きよう

不気味な顔だから

となっています。

夢なんか見たって無駄だった、自分は誰にも愛されず必要とされない…そんなカジモドの後ろ向きで悲しいリプライズと、「奇跡求めて」でエスメラルダ達が苦しい状況ながらも手を取り合って強く生きようとする前向きな曲調は対照的。

この2つのメロディーの交差が美しいのですが、私は完全にカジモド側に感情移入してるので、悲しい気持ちでいっぱいになってしまいます…。

4:「世界の頂上で」

これは、同じ人物が歌うけれど、その境遇が大きく変化しているリプライズ。

個人的に、最も泣けるリプライズはこれです。

1幕:「世界の頂上で」

道化の祭りでの事件の後、大聖堂の鐘楼へやってきたエスメラルダをカジモドが案内する場面。高い場所から見下ろすパリの街は、今までとは全く違った美しいものに見えます。

世界の頂上から 見下ろせば違う景色
全てが小さくて 美しいのね
見慣れた街も 素敵に見える
争うこともなく 苦しむ人もいないみたい
今だけ時間さえ 流れを止めるの
世界の頂上で

2幕クライマックス:エスメラルダが息を引き取るシーン

火あぶりの刑に処されているところをカジモドに救出されたエスメラルダが、横たわりながら歌うシーンがリプライズ。

ここに戻れたのね なんて美しい朝なの

あなたも美しいわ

世界の頂上で

1幕の「世界の頂上で」はカジモドとエスメラルダにとって、劇中で最も幸福なシーン。

上から見下ろしたパリの街は争いとは無縁の美しい場所に見え、まるで天国にいるような心地。

エスメラルダは「こんな素敵な景色を見せてくれてありがとう」とカジモドに感謝を伝えます。

それに対して、2幕のクライマックスで火あぶりに処されたエスメラルダは、地上で地獄をみました。

しかし、そこからカジモドの手によって救い出され、もう一度天国に戻ってこれた。

2人にとって最も幸せだった瞬間を思い出し、美しい天国にいる心地でエスメラルダは息を引き取ります。

最後の瞬間まで気高く優しいエスメラルダと、純粋な愛に溢れたカジモド。

ここで涙腺崩壊する人、多いのではないでしょうか…。私もその一人です。

フロローによる「罪の炎」に焼き殺されるのではなく、カジモドの優しい「天国の光」に包まれて旅立てたことはエスメラルダにとって救いだったのではないかなと思います。

さて、以上4つのリプライズを紹介しました。

リプライズって初見では少し気づきにくいのですが、何度か鑑賞したりCDを聴き込むと「あ、これってあそこのリプライズだったのか!」って発見があって面白いんですよね。

私がミュージカルを好きな理由の1つは間違いなく「リプライズ探しが楽しいから」でしょう。

『ノートルダムの鐘』にはこの他にもまだまだたくさんリプライズがあるので、ぜひ生のミュージカルやCDで味わって頂きたいと思います!